★葉の色がおかしいときにすべきこと

1.葉が黄色い場合
植物の種類にもよりますが、ここでは一般的に当てはまる症状について見ていきましょう。まず、葉が黄色くなってしまった場合、日光不足や肥料不足が考えられます。日光が足りないと、植物は生きていくのに必要な有機物を作るための、光合成を行うエネルギーを失ってしまいます。

たとえ光が無かったとしても、根から吸い上げる水分と栄養分で生きていくこと自体は可能なのですが、十分な発育が得られなかった植物が不健康であることは、容易に想像できるでしょう。葉が黄色いと光合成を十分行うことができず、言わば栄養失調に陥っている状態になります。

肥料不足も、栄養が足りないという意味では同じで、葉が黄色くなる原因となり得ます。植物も他の生物と同じで、成長するのにも命を維持するのにも栄養が必要です。特に水耕栽培といった人工的な環境で栽培する場合、肥料も人工的に補給しなければ、簡単に葉が黄色くなって弱ってしまいます。

2.葉が茶色い場合
葉が茶色くなっている場合、水不足や葉やけが考えられます。水が足りなくなると養分を全身に運ぶことができず、また植物細胞の代謝も十分に行えません。そのため、全体が劣化した状態で生き延びなければならず、それが茶色く古い色味となって現れます。

今すぐに水を注ぎ、しばらく水を与え続けて様子を見ましょう。根を確認できるのであれば、根の中が空洞になっていると水不足の証拠です。空になった根を切り取って、健康な根を残して水やりを再開しましょう。

葉やけとは、日光や人口光に当たり過ぎたことで、葉の表面の細胞が焼けてしまい、劣化して変色している状態のことを指しています。こうなると、葉は本来の機能である光合成や呼吸を十分に行うことが出来ず、茶色く死んだような色になってしまいます。

まずは日当たりなどの条件を改善することが必要です。ある程度の直射日光は植物にとって必要ですが、真夏日の日光や西日が当たると焼けてしまいます。覆いをつけるなり時間に制限を設けて日陰に移動するなどの対策が必要です。

3.根の確認も必要
葉が黄色い時の原因として、根腐れを起こしている可能性も考えられます。根腐れとは、酸素不足により根が呼吸できず、細胞が壊死している状態のことです。根から栄養分を吸い上げることが出来ないため、植物の元気がなく、葉が黄色くなる場合があります。

根腐れを起こしている部分を切り取り、生きている根だけを残して植え替えましょう。水のやり過ぎや詰まった土には十分に注意していください。

★水耕栽培で起こる病虫害対策
1.水耕栽培でも、害虫が野菜につくことはあり得ます。野菜は虫の住処や食べ物であり、室内で栽培していたとしても、何かの拍子で虫が付いてしまうことは考えられます。代表的なのはアブラムシでしょう。

小さく緑や赤色をしたものがほとんどですが、主に野菜に害を与えます。食い荒らして成長を阻害したり、養分を吸い取ったり、病原菌を持っていれば植物の病気を伝染させることで、枯れてしまうといった危険性があります。

水耕栽培で害虫が発生する原因は様々です。買ってきた野菜についていたものが、水耕栽培の野菜まで飛来したり、開けていた窓から侵入して住み着いてしまったりなどが考えられます。

水耕栽培では土を使用しないため、土に最初から害虫やその卵が混ざっているということはありません。したがって、栽培後の処理や環境が害虫対策に重要であると言えます。

2.間違っても、培養液に農薬を入れたり、大量に植物に噴射することは避けてください。農薬は確かに強力ですが、基本的に屋外の土壌で使用するよう設計されており、実内の水耕栽培では毒素がそのまま残ってしまう危険性があります。

せっかく安全で新鮮な野菜のために水耕栽培をしているにもかかわらず、農薬を使用してしまうと重大な健康被害にもつながりかねません。より安全で自然由来のものを使用して、安心して収穫できるようにしましょう。

水耕栽培でも害虫は発生し得るものですが、簡単な対策とこまめなケアで防ぐことが可能です。