水道水またはミネラルウォーターで栽培しても大丈夫?

1.水道水でも大丈夫
水耕栽培における水は、土耕栽培における土と同じ役割があり、水質が野菜の成長を左右するといっても過言ではありません。しかし、一般的な水耕栽培の記録や乾燥を見るに、水道水やミネラルウォーターを使用しても栽培に問題無いようです。

例えば、通常の家庭菜園などでは水道水を水やりに使用し、何度も何度も水道水を与えます。しかし、水道水が原因で植物が枯れたりはしません。観葉植物を自宅に飾られている方も大勢いらっしゃることと思いますが、水道水をあげても枯れることはなかったのではないでしょうか。

日本の水道水は厳しい衛生基準をクリアしており、植物を枯らすほど薬品まみれという訳でもありません。特に地下水を使用する自治体や地域の方は、水質に不安を感じる必要はありません。

2.カルキが悪いと言われる理由
しかし、カルキが植物に悪影響を与えるのは事実です。厳密には、一定の条件を満たしたときに、植物が枯れる原因の一端を作り出すことがあります。根が多い植物は、一部の根を枯らしながら生育していきます。

その枯れた根は、微生物などに分解された後にアンモニアや亜硝酸へと変化します。これらの元素や化合物は猛毒で、植物にとっても致命的なダメージを与えます。しかしバクテリアが硝酸塩というイオン化された塩に変えることで、無害化しています。

カルキはこのバクテリアを殺してしまうことで、水耕栽培の培養液を毒素に変える手助けをしてしまうという訳です。このような過程を経て、カルキを含む水道水は植物にとって悪影響を与える場合があります。

しかし、カルキを含んだ水中だとしても、腐っていくほど大量の根が無ければアンモニアなどが発生することもなく、カルキを含もうが含むまいが植物に影響はありません。

3.ミネラルウォーターでも可、しかし理想的ではない
ではミネラルウォーターはどうでしょうか?これも、通常の方法で与える分には問題ありません。しかし、ミネラルウォーターは、マグネシウムやカリウムなど植物に必須の栄養素を含んでいるとはいえ、多量に含むために「硬水」です。

特にナトリウムを含む硬水の場合、植物中の水分が逆に外へ吸い出される現象が発生するかもしれません。そうでなくても、元素を大量に含む硬水は、浸透圧の関係で栄養素を吸収する植物にとって、栄養を吸い上げにくい水となります。

ほとんどの植物は硬水にも上手く対応するものの、ミネラルは少ないが染み込みやすい軟水を使用する方が、植物にとっては優しいと言えるでしょう。しかしいずれにしても新鮮な水は、植物の成長を促す作用があります。